コラム

【天の川】ドレイクの方程式とは。地球外知的生命体が存在する可能性【銀河系】

銀河系内に地球外知的生命体いわゆる宇宙人は存在すると思いますか?

ドレイクの方程式とはこのような疑問に対して1961年アメリカの天文学者フランク・ドレイク氏が考案した天の川銀河における星間通信ができる高度文明の数を推定する式です。

およそ50年前に発表されたこの式ですが決して過去の遺産といった類のものではなく、現在でも地球外知的生命探査(SETI)やアストロバイオロジー(宇宙生物学)の分野ではしばしば引き合いに出される考え方になります。

今日はこのドレイクの方程式についてレポートします。
最初に式の説明をした後、実際に値を代入して地球外知的生命(ETI)がいそうなのかどうか考えましょう。

※ETI:Extra-Terrestrial Intelligence
SETI:Search for Extra-Terrestrial Intelligence

TOP画像の出典(reference):https://astrobiology.nasa.gov/

まずは式の紹介と言葉の説明から。


出典(reference):http://www.seti.org

ドレイクの方程式:N=R✳︎✖️fp✖️ne✖️fl✖️fi✖️fc✖️L

N:銀河系内にここ1年間に存在すると推定される星間通信技術を持つ高度な文明の数
R✳︎:銀河系内において1年間に誕生する恒星の数
fp:恒星が惑星を持つ確率
ne:惑星を持つ恒星系において生命存在の可能性のある惑星の数
fl:生命存在の可能性のある惑星から実際に生命が発生する確率
fi:発生した生命が知的生命に発達する確率
fc:その知的生命による文明が探知可能な信号を発信するまでに通信手段を発達させる確率
L:そのような高度な文明が存続する年数

N,nはNumber(数)、Rはrate(率)、fはfraction(確率)、LはLength(長さ)。

惑星

恒星の周りを回る天体。
地球をはじめとして太陽系では水星・金星・火星などがそれにあたります。
さらに惑星の周りを回る月などは「衛星」というカテゴリーに分類されます。
人口”衛星”もそういう意味です。

恒星

自ら光を放つ天体。
僕たちがいる太陽系における恒星が太陽です。
星(star)といえばこの恒星のことを表します。光り輝くから”スター”なんですね。

また、恒星はその系における「母星」とも呼ばれます。
その環境の過酷さから知的生命は恒星ではなく惑星に存在すると考えます。

銀河

僕たちがいるのは天の川銀河(Milky Way Garaxy)。銀河系とも呼ばれています。
少しややこしいですが「銀河系」は固有名詞で僕たちのいる銀河のことです。
近くにある有名な銀河としてアンドロメダ銀河がありますね。
1つの銀河には億や兆の数の恒星が存在し、天の川銀河には数1000億の恒星が存在します。

星間通信

正確には知的生命が住む惑星間における通信です。
通信ができる状態、つまり証拠が得られないことには知的生命が存在しているとは言えません。
惑星間といっても一方の惑星は地球を想定しています。
そして、現在の地球外知的生命探査(SETI)では電波による通信が主です。

次に計算式の説明をします。

N=R✳︎✖️fp✖️ne✖️fl✖️fi✖️fc✖️L

ne~fcについて

ne~fcまでの計算はわかりやすいと思います。

例えばne(惑星の数)を10,000として 生命発生確率fl=10%、知的進化確率fi=10%、文明発達確率fc=10% だとします。
そうすると10,000の惑星のうち星間通信技術を持つ惑星の数は

ne✖️fl✖️fi✖️fc=10000✖️0.1✖️0.1✖️0.1=10

項が増えるごとにそれぞれの条件を満たす惑星の数は小さくなり、この仮定においては10,000個のうち10個の惑星が通信技術を持つことになります。

ne~fcはすべで「惑星」に関する項でした。

RとLについて

Rは“Rate of star formation”のことです。
Rateは「率(速さ)」ですからここでは上記のように1年間に誕生する恒星の数としています。
Lは“Length of time”「時間の長さ」です。ここでは年数としています。

RとLに挟まれる項を一旦全て取り除いてR✖️Lについて考えてみます。
1年に1個の恒星が誕生しているとし、その恒星の存続年数が5年であるとします。(R=1、L=5)
実際のドレイクの式でLは高度な文明の存続年数ですがここでは簡単のために恒星の存続年数としました。

R✖️L=1✖️5=5

この5という数字が表すところが現在該当の銀河内に存在する恒星の数になります。

もうちょっと説明すると下の図は1年に1個の恒星が誕生し、その存続年数が5年の場合を表しています。
タテが年数(1,2,3・・・)でヨコが1年に1個誕生する恒星(s1,s2,s3,・・・)です。
例えば赤色が示しているのはs2という恒星が2年という年に誕生し、5年間の存続年数を経て7年目にはなくなることを示しています。
例として7年目を確認すると黄色で示されるように5つの恒星がその年に存在していることになります。

図から任意の年を選択した時に常に5個の恒星が存在していることがわかります。
存続年数の期間だけ仲間が増えていきます。

s1 s2 s3 s4 s5 s6 s7 s8
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12

fpについて

fpは恒星が惑星を持つ確率。
これはこの計算式上で恒星の数から惑星の数を導く項です。

例えば、恒星の数が10個で惑星を持つ確率(fp)が50%の場合。

10✖️0.5=5

となり、5個の惑星が存在することになります。

さらに、恒星の数が20個で惑星を持つ確率(fp)が10%、これらの恒星がそれぞれに持つ生命に適した惑星の数(ne)が2個である場合。

20✖️0.1✖️2=4

となり、4個の生命に適した惑星が存在することになります。

まとめると

1年あたりに誕生する恒星の数から高度文明を湛える惑星の数を求めて、そこに存続年数をかけているだけです。

最後に数値を当てはめていきます。

・Rは実際の観測によって現在では1~10と考えられています。R=10とします。

・Fpは恒星が惑星を持つ確率です。
系外惑星(太陽系以外の恒星系の惑星)の探査は近年めまぐるしく成果が上がっている分野です。
たくさんの惑星が次々と発見されています。その中には地球型の惑星も少なくありません。
Fp=0.3にします。

・ne。生命存在の可能性のある惑星の数。
僕たちがいる太陽系が持つ生命存在可能惑星の数は地球の1つだけです。つまり太陽系に限ってはne=1でした。
しかしながらこの地球が佇んでいる地域はハビタブルゾーン(生命居住可能領域)と呼ばれ一つの恒星系において惑星がちょうどその範囲に収まることは必然ではあらずむしろ偶然の産物です。
ここではne=0.1にします。

・fl。地球のような恵まれた環境さえ整えば生物は発生する確率これは結構高いんじゃないかと思います。
地球において上記の生息可能環境が整ってから初めての生命が誕生するまでに要した期間はおよそ2億年と推定されています。
地球史が46億年であることを考えるとそのスケールにおいては2億年という時間がそんなに長くはないように思えます。
したがってここでは環境さえ整えば生命は発生すると考えてfl=100%にします。

・fi。生命体が知性を得るまでに進化する確率。全くイメージが沸かず、根拠がありませんが1%。

・fc。知的生命が銀河系内での通信技術を獲得するまでに発達する確率は10%とします。

・L。高度な文明が存続する年数。
例えば地球で考えてはどうでしょうか。現在の我々の文明が高度な文明として
通信技術を得てまだ間もないこの我々の文明はあと何年続くでしょうか。
ここでは10000年続くと仮定します。L=10000。

全部の値をドレイクの方程式に代入します。

N=R✖️fp✖️ne✖️fl✖️fi✖️fc✖️L

N=10✖️0.3✖️0.1✖️1✖️0.01✖️0.1✖️10000=3

この仮定ではドレイクの方程式に従うと3つの高度文明が存在することになりました。
すなわちこの銀河系には僕たち地球以外に残り2つの知的生命の生きる惑星があります。

今回は僕の想像でした、今度はご自身が想定する数値を当てはめて計算してみてはどうでしょうか。

さいごに

ドレイク氏は僕たちの住む銀河系内の公式としてこの式を発表しました。
しかしながら銀河は僕たちのいる銀河系(天の川銀河)以外にも無数に存在します。
最新のNASAのレポートではその数は2兆個と推定されています。

すなわちその2兆個分だけドレイクの方程式が存在し、そうなればもはや知的生命は存在すると考える方が自然です。
しかしながら、ドレイクの方程式が想定しているところ、そして当然現行のSETIも追求しているところは星間通信技術を持った高度な文明。
問題になるのがこのfc(星間通信技術獲得確率)の項です。

確かに、銀河が無数に存在することから知的生命が存在する惑星の数は天の川銀河だけを考えた場合よりも多くなります。
でもコンタクトを取れないことにはその存在を立証することはできません。
そしてドレイクの方程式では銀河系内における知的生命が星間通信技術を持つ確率としてfcの項が設定されました。
しかしこの銀河系を超えてよその銀河との通信、銀河間の通信技術を獲得する文明にまでその知的生命体が進化する確率を考えると。
それは銀河系内のそれ(fc)よりもずっと低くなります。
つまり銀河系にまで範囲を拡大することで惑星の数は増えるかもしれませんが、そのfcに代わる値が限りなく小さくなるため結局コンタクトできるETIというのは限られてしまいます。

ドレイクの方程式は数字を当てはめるだけで答えが出てくるこの式自体が面白いですが、こんな風にETIについての思いを巡らせる際の1つのヒントを与えてくれるという点においても有意義なアイデアであると僕は考えます。

以上。

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