仮想通貨業界は2022年に入っても盛況な状況が続いている。世界的なNFTの普及も続きこれから仮想通貨はますます生活に深く浸透してくると思われるので、最近出た仮想通貨関連のニュースで注目に値するものをピックアップしてみた。
仮想通貨の送金規制が強化
つい最近まで仮想通貨は正式な「通貨」として送金時の規制の対象になっていなかったため、仮想通貨を使ったマネーロンダリングやテロ資金供与といった犯罪行為が十分取り締まられていなかった。
そこで2022年になって、仮想通貨の送金に対する規制が強化された。今年そのような動きが加速した理由の1つはロシアのウクライナ侵攻。日本や欧米はロシアに制裁をかけているものの、仮想通貨によって制裁逃れが行われているとの懸念が高まった。
4月1日からは仮想通貨取引所経由で仮想通貨を送金する際、取引所が依頼人や送金先の情報を確認して保存しておくことが義務づけられた。これはもともと2021年3月に金融庁が業界に対し依頼していたものだが、その実施期限が今年4月だった。
さらに政府は外為法の規制を仮想通貨に拡大するための法案を、今国会に提出した。銀行から法定通貨を海外送金する際、送金先が北朝鮮など制裁対象国に該当しないかなど確認される。提出された法案はそのような規制を仮想通貨にも拡大するためのもの。
外為法はFX取引も規制する法律だったが、これからは仮想通貨とFXが同じ法律で規制されることになる。
IEOが日本でも拡大
今年になって日本でもIEOが複数行われるようになった。IEOとは企業がトークンを発行して不特定多数の投資家に販売し、資金を調達する仕組み。もともとは取引所を通さないICOという資金調達法が海外で盛んに行われていたが、取引所を通さないため詐欺紛いのICOも多かった。そこでICOが進化した、取引所を通してトークンが発行されるIEOが増えるようになった。
日本では昨年初のIEOが行われたが、今年になって同じ取引所が第2弾を計画しているだけではなく他の取引所もIEOの実施を発表した。
中央アフリカがビットコインを法定通貨に
アフリカ中央部にある中央アフリカ共和国が、4月下旬にビットコインを法定通貨にすると発表した。ビットコインの法定通貨化は、中米の国・エルサルバドルが昨年9月に発表して以来世界で2ヶ国目。
中央アフリカ共和国はそれまで、CFAフランという共通通貨をアフリカ中央部の他の5ヶ国とともに法定通貨として使っていた。しかしこの通貨は「フラン」と名前がついているようにフランスによってある程度管理されており、中央アフリカ共和国の政府はそれを経済的な植民地支配に該当するとして好ましく思っていない。
そのためCFAフラン以外の法定通貨を採用してCFAフランの影響力を低下させるために、ビットコインの法定通貨化に踏み切ったと見られている。