僕は受験勉強においてまずは英語を得意科目にすることが効率的だと考えています。
今日は高校受験や大学受験において英語を第一に得意科目にするべき理由についてレポートします。
(目次) ①安定した得点源になる。 ②5教科で一番配点が大きい。 ③受験が終わってからも英語は必要。 ④人生を通じて一番点数化される。
⑤努力が必ず報われる。
英語長文の攻略法の提案についてはこちらの記事をご覧ください。
①安定した得点源になる。
一度身についた英語力は他の科目に比べて中々落ちません。 これは日本語を忘れないことや泳ぎ方、自転車の乗り方を忘れないことに似ています。
受験英語は単語・文法・長文の総合力で勝負するために、一定以上の学力を持った生徒なら比較的試験毎の偏差値の変動が少ない科目です。
一方で数学は一つの解法を忘れるとその単元の問題が解けなくなったり大問1つが丸々わからなかったりします。 数学の攻略法はたくさんの解法パターンを対になる問題文と紐つけて暗記してしまうことですが、この1つ1つの解法パターンというものが時間が経つと驚くほどにあっさりと忘れてしまいます。
理科や社会になるともっとです。
僕が受験した京大入試の数学はたったの6問でした。
英語は英文和訳と和文英訳。 高校3年間を6問に落とし込んでしまう数学と一語一語訳していくことのできる英語、どちらがリスキーでしょうか?
②5教科で一番配点が大きい。
英語 | その他 | 英語率 | |
東大文1 | 320 | 1020 | 24% |
京大工 | 250 | 750 | 25% |
阪大文 | 200 | 450 | 31% |
慶応理工 | 150 | 300 | 33% |
早大政経 | 90 | 140 | 39% |
同志社文 | 200 | 300 | 40% |
上記は各大学のある年の[英語の配点]と[英語以外の科目の合計]です。 英語率は(英語も含めた)総得点のうちに英語が占める割合です。
国公立大学の場合はセンター+2次の合計。
“配点が一番大きい”というのはあくまで全体的な配点の傾向であり、個別にみると違う学校もあります。 しかしながら多くの大学で文系も理系もこのように英語の配点は高く設定されています。
これは英語の得点の傾斜が大きいという言われ方もします。
特に私立大学で顕著ですね。文系私立の入試科目では国語がない所でも英語だけは必ず入っていたりします。 国公立大学(センター+2次試験)ではセンター試験で理社が課されるため私立よりは下がりますが、他の4教科と比べた時はずっと高いです。
京大工学部(理系)でも4分の1は英語なんですね。
小学校でも英語の授業が始まっていますし、ここ十数年のキーワードがグローバルだからです。
③受験が終わってからも英語は必要。
大学生が留年する理由には語学で単位落としたからというパターン非常に多いです。
また、修士や博士を目指したり研究者を志望する方なら理系であっても英語ができないというのは大きなハンデになってしまいます。 むしろ理系こそ英語が必要といっても過言ではありません。 その理由の1つに世界の(科学)論文の8割が英語で書かれているということがあります。
したがって、院試でも専攻に関わらず英語が必須であるところが多いですし、TOEICやTOEFLのスコアの提出を求められたりもします。
上記の京大工学部で英語の傾斜が大きい理由にもこのような現実があるからです。 京大理系の学生は基本的には院に行くことが前提であり、また、京大は京大生に研究者の道を志してほしいと考えています。
だからこのような英語の配点は「最低限の英語の教養を身につけて来てください」という大学側からのメッセージです。本当です。
さらに就職試験の際にも、そして企業によっては就職してからも英語力は必要になります。
英語とは長い付き合いになります。
5教科のうちの1つという考え方はナンセンスです。
④人生を通じて1番点数化される。
例えば日本史は中2の1学期とかに初めて教科書をもらい。理系の場合は定期テストに日本史が出るのは長くて高2までで、高3では受験科目が中心になるために姿を消します。
大学では一般教養科目として再び顔を出しますが履修はあくまで任意となり(興味なければ取る必要がないということ)
社会人になってからは日本史のテストなんてまずありません。
一方で英語は③でも書いた通り人生を通して点数化されます。 近年小学校で導入されているコミュニケーションの授業から始まって、数回の受験。
就職すれば海外勤務や昇進の要件としてTOEIC・TOEFLのスコアが使われたり、一昔前はSoftBankが「TOEIC900点を取った社員にボーナス100万円」が話題になったりしました。
さらに英語の偏差値やTOEIC・TOEFLのスコアを確保しておくこと自体も大切なのですが、これだけ英語力が求められている時代においてそれでもまだ英語から逃げ続けるというのは環境によって、一部の厳しい人からの評価を落とすかもしれません。
そういった人からは「目の前の課題に立ち向かうことの出来ない人間」もしくは「世間知らず」の烙印が押されてしまうということです。
どうせ必要になるんだから今からやっておいた方がコスパがいいと考える方が賢明です。
⑤努力が必ず報われる。
リーディングが主となる受験の英語は暗記科目です。つまり努力すればその分だけ結果に表れます。
他方、英語は少し勉強したからといってすぐに点数が取れるようになる科目ではないですよね。 数学だとその単元の公式をいくつか覚えれば該当の定期試験の点数は簡単に上がりますし、社会なんてもっとそういう傾向があります。
しかし英語は頑張りが成績に現れるまでの時間も1番かかります。
大学受験の英語で一番に求められる能力は長文が読めること。 そしてこの長文をスムーズに読めるようになるまでに時間がかかる。 なぜなら単語・熟語・文法をある程度の数を覚えてたとしてもそこでやっとスタートラインに立てるといった具合で。それらを覚えた後にも長文はまた別個の「長文」という単元として学習しなければなりません。
そこからさらに訓練を重ねてやっと入試に出てくる英文を読めるようになります。
とにかく、受験英語が「できる!」と実感できるようになすまでには非常に多くの時間と忍耐を要します。タフな教科なんです。
しかしながらその一方で、コツコツとたくさんの単語・熟語・文法を覚える。最初は読めなくて辛かったとしても諦めずにひたすら長文を読む訓練を続ける。そうすることで必ず結果は出ます。
途中で「俺には無理かな?」とか「他の科目で頑張ろう」などと考えてしまう気持ちも本当によく解りますが、諦めずに頑張ってください。
正しい努力は絶対に裏切りません。
さいごに
勉強という楽しくはないことを忍耐強く続けるためには色々な工夫をしなければなりません。
この工夫というのは勉強方法の工夫だけではなく、環境作りやモチベーションの維持といった意味も含まれます。
今回の記事の目的は当然、にここまで書いた事由から効率的に受験勉強をクリアするため優先的に得意科目にしてもらうことが第一ですが、様々な工夫がある中で英語を積極的に勉強してもらうためのマインドセットのような意味もあります。
以上。
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