コラム

地球外知的生命との遭遇

本日4月8日は人類史上初めてのSETI(地球外知的生命探査)が行われた記念すべき日です。

1960年4月8日アメリカ・ウエストバージニア州の天文台でフランクドレイク氏によって行われたその電波探査は『オズマ計画』と名付けられました。

オズマ計画は数ヶ月間に及ぶ観測の末、結果的に有意な信号は捕らえられずに終わりました。しかし、このプロジェクトは人類のSETI活動への第一歩として大きな意味合いをもちます。

今日は地球外知的生命(ETI)に関する自分なりの意見を書きます。
月並みな意見ですが、考えて外に出すことに意味があると思います。読者の方も読みながら一緒に考えてみてください。

※厳密には私人による火星からの電波受信などの試みがこれ以前に行われています。

 

SETI:Search for Extra-Terrestrial Intelligence(地球外知的生命探査)
ETI:Extra-Terrestrial Intelligence(地球外知的生命)

(目次)
・前提として
・挨拶には来てくれない
・ウルトラ高度文明
・さいごに

前提として

僕たちが宇宙空間に発している電波にはETI探査の一環として仮想上のETIに向けて送られるものもあれば、TVの電波など意図せず宇宙に流れ出る電波もあります。

いずれにしてもこれらの電波を手掛かりにして、もしくは他の何らかの方法によってETIが地球文明を察知した場合、彼らは僕たちに対してどのようなリアクションをとるのだろうか。

この記事の主題を「地球外知的生命との遭遇」として、ここでは通信によるコミュニケーションではなく直接的なコンタクトについて考えてみます。

直接的なコンタクトとは実際に彼らと会うということですが、地球人の月に行くのがやっとという現状においてはこちら側から向こう側へ行くことは現代の科学技術において不可能です。

したがって、人類が地球外知的生命と遭遇する場合にはETIの方から人類の活動圏内までやって来るという前提のもとで話します。

今回は僕たちのいる銀河系(天の川銀河)で完結する出来事を念頭に置いています。
天の川銀河には数千億の恒星が輝いていますが、その中のとある恒星が従えるある惑星において恒星間移動技術をもつスーパー高度文明が繁栄していると仮定します。

僕たちの文明が高度と言えるのかは比較対象がないのでわかりませんが、ここでは僕たちの文明を高度文明と位置付けることにします。
そして、そこから一段上のステージにある文明をスーパー高度文明と呼びます。

 

挨拶には来てくれない

それではそのようなスーパー高度文明が存在し、僕たちの存在に気がついたとして彼らは地球へ大使を派遣してくれるでしょうか。

僕の考えでは彼らはおそらく気軽に声をかけには来てくれません。リアルでは繋がってくれないでしょう。

まず一つの理由としてはそのような超高度な文明が存在していたとしても、そのような事業に巨額な予算を充てることはできないということです。政治・経済的に難しいんです。

恒星間移動が可能なほどに科学技術の発達した文明惑星において、今の地球に見られる飢餓や貧困といった問題が存在するということは考え難いですが、それでも惑星の環境や資源・エネルギー問題といった諸問題は十分あり得ることで、その土地の住人にとってそれらは「宇宙」よりも関心が高いトピックになります。

実際に僕たちの地球でも、SETI(地球外知的生命探査)プロジェクトに対しては昔から懐疑的な科学者も多く、現実問題として補助金が打ち切られるなどの実情があります。そんなSETIの肩身の狭さ一つをとってもETIの“関心事”と同じようなことが言えます。

たしかに宇宙開発は文明の発展に貢献しますが、いずれの社会においても金をかける優先順位というものがあります。

さらに地球まで来るとなると、それに要するエネルギーの量も莫大なものであるし宇宙空間には当然リスクもつきものです。

すかわち、スーパー高度文明において、上述ように金・エネルギーを浪費しリスクをとって辺境の星まで旅行に行くという、いわば“人類の進歩と文明の発展を建前に知的好奇心を満たす”といった科学者本位であったり、一部市民のロマンを拠り所にするようなプロジェクトは発達した文明社会では、むしろ僕たちがしばしば想像するような成熟した民主制を兼ね備えた文明社会でこそ容認されないのではないでしょうか。

したがって、何かしらの特別な事情がない限りETIの地球来訪、冒頭で書いた“遭遇”は実現しません。
ただの挨拶になんて来てくれるわけがないんですね。

それよりもまずは比較的安価な電波によるコンタクトを試みるのが合理的です。

 

ウルトラ高度文明

では一方で僕たちが飛行機を使って旅行をするように恒星間航行がありふれたウルトラ高度文明だったらどうだろうか。
先ほど予算もリスクも莫大なので来られないと書きましたが僕たちがする海外旅行と同じくらい簡単に宇宙旅行を成し遂げてしまう社会の場合です。

このような仮定においてはまた別の疑問が頭をもたげて来ます。
“Where are they?”
有名なフェルミのパラドックスと呼ばれる矛盾です。

フェルミのパラドックスとは、銀河系の恒星数から推定されるETIが存在可能な惑星の数から推し量ると、超高度文明の存在というのは十分に期待されるにもかかわらずどうして彼らは僕たちの前に現れないのかという矛盾です。

ETI話は得てしてこのフェルミのパラドックスに行き着いてしまいます。

このパラドックスの理由を例として1つあげるとETIと地球人の間の時間と距離のギャップがあるかもしれません。

天の川銀河の直径が10万光年、これは光の速さで銀河系の端から端まで10万年かかるといつことです。そして、僕たちのいるこの宇宙では光速こそが最速ということもネックになります。

人類の発する電波が宇宙に漏れ始めてからまだ100年と少し、電波の伝播速度は光速と等しいですからこの時点でまだ僕たちは地球から半径100光年の範囲にしか僕たちの存在を示せていません。そもそも電波は全方位に拡散するわけでもなければ、到達距離にも限界があります。だから実際に声が届くのはより限定された範囲になります。

これはあくまで先方が電波によりわれわれの存在を気づいてもらわなければならない場合の障害ですが、仮に他のなんらかの方法で地球に照準を定め、例えば1万光年の距離にある惑星からこちらに来るとしても最速(光速)で1万年かかります。光速に近い速度で航行する宇宙船の乗船者が要する相対的な時間はまた異なってくるでしょうが、僕たちにとってはあくまで1万年です。

ちょうど地球に最初の文明が誕生したとされるのが約1万年前であり、遭遇というのはそのくらいの時間スケールの問題なのです。
この時間の壁を考えると映画『2001年宇宙の旅』に登場した“400万年前”の地球外文明による埋蔵物(モノリス)というのはむしろリアリティのある年代です。

この時間的・距離的なギャップがパラドックスの原因かもしれません。

 

さいごに

先に書いた通り特別な事情がない限りにおいて来られないわけで、そこに何らかの事由が生じ人民のコンセンサスを得られさえすれば将来に来る可能性はあります。

また、今回はあくまで現代人がETIと遭遇する可能性について書いてものであり、これは過去にETIが地球に来訪した可能性(古代宇宙飛行士説)を否定しているわけではありません。

ETIが地球にやってくる特別な事由や過去に彼らが地球にやってきた可能性についても今回と同様の様式で記事にします。

1つだけたしかなことは、パラドックスの解として“天の川銀河には僕たち以外の文明が存在しない”は認めたくないということです。

 
以上。


最後まで読んでいただいてありがとうございました。
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